こんばんは。調剤薬局に勤務している薬剤師のKODAMAです。
今回はお会計に関するお話です。
10月の消費増税に伴い薬の価格(=薬価)が見直され、10月より新薬価となります。新薬価の表を見たところ、薬価が上がるものもあれば下がるものもありました。改定品目の約4割は薬価が上がり、約6割は薬価が下がるそうです。
そもそも「薬価」は厚労省が決める”公定”価格、つまりどこの調剤薬局に行っても薬価は同じです。そして、薬価は通常2年ごとに見直され4月に新薬価となるのですが、今回は消費増税に伴い10月のタイミングで薬価が改定されます。
したがって、いつもと同じ処方内容の処方箋を同じ調剤薬局に出したとしても、10月以降はお会計が少し変わる可能性があります。もし、「あれ?先月と少し金額が違うような気がする…」と感じたら、それは薬価改定による可能性があります。
先ほど「薬価はどこの調剤薬局に行っても同じ」と申し上げました。しかし、同じ内容の処方箋をA薬局とB薬局に出したとして、お会計が異なる可能性があります。それは、薬剤料以外の部分については、調剤薬局で算定内容が異なるからです。
お会計の時に、領収書と一緒に調剤明細書も渡されますが、それには「調剤技術料」「薬学管理料」「薬剤料」という項目があります。この「調剤技術料」の中に「基本料」というものがあるのですが、これは薬局の立地や処方箋の受付回数などの条件により薬局間で異なってきます。そのため、処方箋のお会計はどこの調剤薬局でも同じというわけではなくなります。一般的に、大規模な病院の目の前にあるチェーン薬局は基本料が低いです。
それから、お薬手帳を持参していると少しお会計の負担が下がるということはご存知の方が多いかと思いますが、これはスマホの手帳アプリでも同様です。調剤薬局の受付で、手帳アプリの管理画面を見せて確認してもらうと、手帳持参ということで会計が少し下がります。(厳密には、手帳持参で負担を軽くするには同一の薬局に半年以内に処方箋を出した場合という条件がつきます。)
処方箋のお会計は複雑です。そして、半年後の4月に会計内容の見直しがありますので、そのタイミングでも処方箋のお会計が少し変わる可能性があります。