血圧の高い人!サインバルタは慎重に

こんにちは。調剤薬局に勤務する薬剤師のKODAMAです。

今回はサインバルタのお話です。以前、「サインバルタはなぜ朝食後なのか?」という記事を書いたことがありますが、今日は注意点についてお話をします。

サインバルタは「SNRI」というグループに属する治療薬で、具体的にはセロトニンとノルアドレナリンを脳内に増やそうとします。SNRIのS=セロトニン、N=ノルアドレナリン です。「SSRI」はセロトニンを脳内に増やそうとしますが、「SNRI」はセロトニンのみならずノルアドレナリンも増やしてくれます。セロトニン=精神安定、ノルアドレナリン=覚醒です。つまり、意欲低下の著しい患者さんには「SSRI」より「SNRI」の方が適していると言えます。

この、N=ノルアドレナリンですが、これは交感神経の情報伝達物質として放出される物質です。つまり、交感神経にかかわる物質なのですが、これが増えることは心臓・前立腺に影響を及ぼすことがあります。具体的には、高血圧の人、心疾患のある人、前立腺肥大の治療に人などに対し「慎重投与」となっています。血圧上昇や頻脈、男性は尿の出が悪くなる等の症状がでる恐れがあります。

薬は、ロゼレムとフルボキサミンのように薬と薬の相性が悪い組合せということもあれば、薬と疾患の組合せがよくない場合もあります。

薬局で薬をもらうとき、他に飲んでいる薬があればそれを薬剤師に伝えてほしいということは勿論なのですが、場合によっては他に抱えている疾患があればそれも伝えてもらうことで、新しい薬を服用して問題ないか大きな判断材料になることがあります。