新しい不眠症治療薬のデエビゴ

こんにちは。調剤薬局に勤務する薬剤師のKODAMAです。

今回は、新しい不眠症治療薬「デエビゴ」の紹介です。

この「デエビゴ」は、以前ご紹介した「ベルソムラ」と同じく、オレキシン受容体拮抗薬に分類されます。オレキシンは、覚醒の維持に重要な物質です。デエビゴならびにベルソムラは、オレキシン受容体への結合を阻害して過剰に働いている覚醒システムを抑制し、脳を生理的に覚醒→睡眠に移行させます。睡眠薬の多くは脳の機能を低下させる作用メカニズムですが、オレキシン受容体拮抗薬はそれとは異なり自然な眠気を強くします。また、依存性が少ないという特徴もあります。

では、既に発売されているベルソムラに比べて、デエビゴの良い点についてあげてみます。

まず、他の薬との飲み合わせに関して、ベルソムラほど注意を払う必要がありません。また、ベルソムラより保存性が良いです。ベルソムラは吸湿性があるのでアルミシートに包装されており、薬を出そうにも少し出しにくいです。また、吸湿性があるためベルソムラは一包化(薬をシートから出してパックすること)ができません。これは、指先の不自由な人や高齢者には大きなデメリットになっていました。しかし、デエビゴは一包化できますので、この難題をクリアできます。

デエビゴは、2.5mg錠、5mg錠、10mg錠の3タイプが出ていますが、通常の開始用量は5mgとなっています。状態に応じて、投与量を減らしたり増やしたりが可能です。

ベルソムラは2014年に発売されました。服用している患者さんは高齢者を中心に着実に増えているという印象をもっています。今後、デエビゴが処方されるケースがどのくらい増えるか、注目しています。